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北海道大学工学部 環境社会工学科 環境工学コース

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Pick Up Lab

環境リスク工学研究室
の未来をつくる研究

 
 

ひねれば出る安全な水道水。その当たり前を守りたい。

水道は、私たちが健康で快適な暮らしを送るために
なくてはならない大切な社会の基盤です。
日本では、水道は「あるのが当たり前」「そのまま飲めるのが当たり前」と
思われていますが、世界を見ると、2024年の時点でも
約21億人が安全に管理された飲み水を利用できない状況にあります。
さらに、日本の水道にも多くの課題が残されています。
有機フッ素化合物(PFAS)に代表される化学物質やウイルスなどの病原微生物による
水源の汚染、カルキ臭などのにおいによって“水道水離れ”も進んでいるのです。
このような状況の中で、私たちの研究室では、室内での実験や現地での
調査を通して得られた科学的な知見をもとに、
水道水の基準づくりや環境政策に役立つ提案を行っています。
また、革新的な浄水処理技術の開発にも取り組み、
安全でおいしい飲み水の供給を目指しています。
これにより、SDGsでも掲げられる
「誰もが安全な水を使える社会」の実現に貢献していきます。

今まさに取り組まなければならない脅威~PFAS

身の回りでも様々な用途で使われる有機フッ素化合物(PFAS)は、環境中に残留しやすい毒性物質です。日本の水道水などにも高濃度で含まれていることがあり、メディアを賑わしていますが、あろうことか通常の浄水処理では処理が極めて難しい、厄介な物質です。私たちは、イオン交換樹脂によりPFASを吸着除去することにより安全な水道水を供給するとともに、吸着したPFASを紫外線ベースの処理法で分解・無害化することで、持続可能なPFASの浄水処理法を創り出そうとしています。

見えないウイルスを“見える化”し、水道の安全をつくる

水道水の元となる河川水や湖沼水には、病気を引き起こす目に見えない様々なウイルスが潜んでいます。しかしながら、水道水を作る工程、すなわち、浄水処理工程によってウイルスがどの程度除去・消毒されているのかは、はっきりとは分かっていません。私たちは、ウイルスを培養する、ウイルスを水中から回収・濃縮する、ウイルスを測る技術を開発し、これらを駆使することにより、水道水の元となる水の中にウイルスがどの程度存在し、浄水処理工程によってどの程度除去・消毒されているかを明らかにしています。これらを通して、ウイルスに対する水道水の「安全」の根拠を科学的に示すことができる枠組み(水道水質管理の枠組み)の構築やウイルスを効率的に除去できる浄水処理技術の開発を目指しています。

誰もが美味しいと感じる水道水の供給を目指して

日本の水道水は、消毒のために「塩素」を加えることが義務づけられているので、水道水の元となる河川水に含まれる様々な物質が、塩素と反応してできてしまう、いわゆる「カルキ臭」がしてしまいます。アンケート調査では常に「水道水をそのまま飲まない理由」の上位に位置する「水道水のカルキ臭」ですが、「標準品が市販されていない」物質を含む「混合物」であるが故に、これまでその正体がほとんど分かっていません。私たちは、ヒトの嗅覚を検出器とした機器分析システムを駆使して水道水のカルキ臭の全体像を解明し、その臭原因物質を水道水質基準に組み込むとともに、「塩素処理しているのにカルキ臭がしない美味しい水道水」の供給を目指しています。

安全・安心な水道水をあなたの手で!

気候変動の進行や世界的な人口増加、そして日本における人口減少
―水道を取り巻く環境は国・地域によって大きく変化しています。
そのような時代だからこそ、人々の健康と日々の暮らしを支えるために、
安全で安心な水道水の供給は欠かせません。
日本、そして世界の未来にわたり、安全・安心な飲み水を届ける仕組みを、
あなたの力で支えてみませんか?